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男「抱きついていい?」  幼馴染「えっ、はわっ……えっ!?」


男「……」ギュー

幼「えっ、ちょっと、え、何なのこれっ?」

男「……」

幼「えっなになに?!夢なの?何なの?」

男「……」ギュー

幼「痛いっ!痛いよ!つねるなっ!抱きしめるのもつねるのも同じ表現じゃわかりづら……ってそうじゃない!夢じゃないっ?!でもなんで?えっ」

男「んー……」

幼「男っ!これなんなの!」

男「あー……いつも抱きついてくるじゃん?幼」

幼「最近はやってないよ!」

男「いや、隙あらば狙ってるだろ……」

幼「ばれてたっ!?」

男「まぁそういうわけで、俺のほうから抱きついたらどうなるのかなっていう……実験?」

幼「実験……」

男「うむ」

幼「で、結果は?」

男「あぁ……真っ赤になって……んー.怒った……?」

幼「おかしいでしょ!なんでそうまとめちゃったの!」

男「でも、怒った顔だったよな…?」

幼「確かに突然抱きしめられて何か男に心境の変化があったのかなとか期待したのに実験とか言われてちょっとムッてなったけど」

男「だろ?」

幼「悪意あるつなぎ方だよそれは!私がものすごく怒ってるみたいじゃん!」

男「激おこぷんぷん丸?」

幼「うるさいよっ!」

男「しかし怒るとなると今後は俺から抱きつくのはやめておくべきか……悪かったな」

幼「人の話を聞けっ!」

男「……ん?」

幼「ん?じゃないよっ!いきなりわけもわからず抱きしめられてドキドキさせられたのにただの実験とか言うしもう抱きつくべきじゃないかとか言い出すし!なんなのっ!」

男「お、おう……えーと……ごめん……?」

幼「ごめん……?じゃないよ!なんなのこのなんとも言えないやり場のない気持ちを私はどこにぶつければいいのっ!」

男「今まさに俺にぶつけてるじゃないか」

幼「そういう問題じゃな……いやもういいや……」

男「えーと……ごめん?」

幼「だからなんで疑問系なの……」

男「そうか……しかし」

幼「?」

男「女って抱き心地良いんだな」

幼「ごほっ!けほっ!いきなり何をっ?!」

男「いやーもう抱きつけないのが残念だ……」

幼「えっ」

男「ん?」

幼「私、抱きつくななんて言ってないけど?」チラチラ

男「こんなことなら抱きついてきた時に感触をしっかり味わっとくべきだったか……」

幼「なんで無視するの!」

男「?」

幼「別に抱きついても良いって……いや……」

男「お?」

幼「もしかしてさ」

男「おう」

幼「男はいま私に抱きついて欲しいってこと……?」

男「ん?……そう……なのか?」

幼「だって抱き心地良かったんでしょ?」

男「まあそうだな」

幼「そしてもう男は抱きつけないと?」

男「あれ?別に抱きついても良いとか」

幼「とりあえずそれは忘れて」

男「あ、はい……」

幼「そうなると抱き心地のいい私をもう一度味わうには私からの抱き付きを容認せざるをえない!」

男「お、おう?」

幼「つまり抱き付き放題!」ガバッ

男 スッ

幼「何でよけるのっ?!」

男「いや……つい……」

幼「さすがに傷付いたよ!こんな流れでも拒否されるなんて……」

男「身体が勝手に……?」

幼「無意識に拒絶するレベルなの……」ガクッ

男「そういうわけじゃなく……えーと……」

幼「もう抱きつかないよ!」

男「それは何か……嫌だな」

幼「じゃあなんで拒否したのっ!?」

男「いや、それはな、えーと……」

幼「もういい……もう抱きつかないからっ!」

男「あー……」

幼「もう男は一生この抱き心地のよさを感じることなく死ぬんだよ!」

男「いや、それに関してはまあ他にも抱き心地いい人はいるんじゃ…」

幼「……」

男「え……あ、そうじゃなく……えっと……」

幼「ちょっと泣きそうなくらい傷付いたよっ……そうだよね……男は私以外にも抱きつく相手くらいいくらでもいるよね……」

男「いやいないけど」

幼「いないのっ!?」ガタッ

男「そりゃ幼以外抱きついてくるようなの周りにいなかっただろ?」

幼「えへへー」

男「復活はやいな……」

幼「つまり男の感触を知ってるのは私だけ!」

男「んー……」

幼「えへへー、そうかそうかー」ニヤニヤ

男「……あっ!」

幼「えっなにっ?やっぱり誰かいるの?!」

男「いや、ちょっと暴走しそうだったから思わせ気味に間をとっただけだ」

幼「ひどい!そうやって毎回毎回私を弄んで!」

男「弄んでるつもりはないんだけどな」

幼「どっちにしても私は傷付いた!」

男「そうか……」

幼「というわけで男は私に抱きつかれる義務があると思うの!」

男「それはちょっと強引なんじゃ」

幼「問答無用!」ダキッ

男 サッ

幼「……」

男「えっと……泣くなよ」

幼「泣いてないし!」グスン

男「だいたいさっき抱きつかないとか言ってなかったか……?」

幼「よく考えたら男が悪いのに抱きつかないとか私が損するだけじゃん!理不尽だよっ!」

男「そんなこと言われても幼が言ったんじゃ……」

幼「うぅー……」

男「俺が悪いのか……?」

幼「悪いの!」

男「幼は損するのか……?」

幼「するの!」

男「えーと……」

幼「なに!」

男「いや、じゃあ……幼は抱きつきたい……んだよな?」

幼「そうだよっ!でももう二回も拒絶されて心が折れそうだよ!」

男「いきなりだとびっくりするんだよ……」

幼「ほんとにそれだけ……?」

男「あー……まあもう成長したんだし抱きつくのはどうかなーとは思うけど」

幼「やっぱり……」

男「まあでも確かに二回も避けたのは流石に可哀想かなと思うしまあ今日はこっちから抱きついちゃったしなーと」

幼「つまり……?!」

男「いきなりじゃないならまあ……抱きついてもいいけど」

幼「ほんとにっ?!じゃあ……抱きついても良いですか?!」

男「なんで敬語……はいよ、ただし飛びかかってはくるなよ?」

幼「わかった!」

男「よし」

幼「じゃあ……抱きつくよ?抱きつくからねっ!?」

男「おう」

幼「い、いくよっ!ほんとに行くからねっ!」

男「はいはい」

幼「……」ドキドキ

男「幼?」

幼「なんかだめだよ!これなんか緊張するよ!」

男「ならこの話はなかったことにす――」

幼「だめ!!待って!!!」

男「おぉっ?!」

幼「ちゃんと抱きつく!ちゃんとやるから!なかったことになんてしないで!お願いだから!」

男「わかったわかった……大丈夫だから落ち着け、ちょっと怖いわ」

幼「だって!」

男「そんなに必死にならんでも……」

幼「うー……最近拒否され続けて今日なんか二回も避けられて……もうこのチャンスは逃せないの!」

男「そうなのか……」

幼「そうなのっ!」

男「こんな溜め込むならちょっとくらい許すべきだったか……」

幼「ほんとだよっ!ちょっとと言わず常に許してくれれば!」

男「で、結局抱きつかないでいいのか?」

幼「う……わかってる!そのまま!動かないでね!」

男「はいはい」

幼「うー……」

男「早く来いよ……」

幼「なんで男だけそんな余裕があるの……」

男「何でと言われてもなー……」

幼「むー……なんかムカつくっ!えいっ!」

男「ぐっ!おい、飛びかかるなって言っただろ……」

幼「勢いは大事なの!それにもう抱きつく時は隙をついて飛びかかるのが癖なの!拒否し続けた男が悪い!」

男「その癖がなければもうちょっと許してもいいんだが……」

幼「そうだったの!?」

男「あー多少は……」

幼「そうだったの……」スーハー

男「……何してんだ」

幼「久しぶりの男の感触を!匂いを!堪能してるの!」

男「そんな良いものじゃないだろうに……」

幼「私にとっては生きるのに必要なエネルギー……って待って!」

男「ん?」

幼「さっきのほんとっ?」

男「さっきのって……あー幼しか抱きついてくるやついないってのか?」

幼「違うでしょ!わざとやってるよねっ?それもうずいぶん前の…え、あれ、それやっぱり嘘だったの……?」

男「いや、ほんとだけど」

幼「うー……またそうやって!」

男「悪い悪い」ナデナデ

幼「わっ……抱きつきながら撫でるとか……」

男「いやか?よしやめよう」

幼「わかっててやってるでしょ!」ギュー

男「ごめんごめん、幼はからかいがいがあるからついな」

幼「つい、でいじめないで!罰としてしばらく撫でてて!」

男「はいはい」

幼「それからっ!」

男「お?」

幼「誤魔化されないよ!さっきのほんとかどうか聞いてないよまだ!」

男「あー……誤魔化せたと思ったのに」

幼「何年の付き合いだと思ってるの……?」

男「幼相手だし何とかなるかと……」

幼「手が止まってる!」

男「はいは……あ……」

幼「嫌な予感がする」

男「さっきの話を詳しく言うのとこのまま撫で続けるのとならどったがいい……?」

幼「どっちも!」

男「そんな甘えた選択肢はない」

幼「くっ……やっぱり……嫌な予感があたっちゃったよ」

男「どうする?」

幼「その毎回ちょっと物足りない絶妙なところで撫でるのやめてまた撫でるのやめて!」

男「二回も撫でるのやめてと言われるとちょっと傷つくな」

幼「そうじゃないでしょっ!」

男「で?どっちがいいんだ?」

幼「ふっふっふ……」

男「?」

幼「男はさ」

男「おう」

幼「もし私がじゃあこのまま撫でててと言ったらどうするの?」

男「どうするってそりゃ撫でるけど」

幼「男は撫で続けるって言ったよね?」

男「ん?そうだな……?」

幼「朝まで離さないよ?」

男「……」

幼「男は私に抱きつかれたまま朝まで私の頭を撫でると……」

男「いや……それはさすがに……」

幼「男は私のことからかうけど約束は守るもんねー?」

男「いや、でもここ幼の家だろ?おばさんとか……」

幼「大丈夫どころか状況を説明すればこの部屋を密室にして軟禁するくらいのことはしそうだよね」

男「くっ……」

幼「窓見てもダメですー逃がしませんー」

男「下手なこと言うんじゃなかった……」

幼「じゃあ朝までよろしくね!」

男「待て幼」

幼「何ー?」

男「確かに撫で続けるとはいったけど」

幼「うん」

男「どこを、とは言ってないよな……?」

幼「そうだね?」

男「なら……このまま続けろと言うなら撫でる位置を徐々に下げる……!」

幼「だいぶ混乱してるね男……」

男「さあ幼、撫で続ける方を選んだらセクハラが待ってるぞ」

幼「別にいまさら気にしないけど……?」

男「なっ……」

幼「なんなら脱ごうか?」

男「なっ、なっ……!」

幼「いつもと立場逆転だねー」

男「えーと……幼……」

幼「何?」

男「俺が悪かったから許して下さい」

幼「そうだなー……」

男「ちゃんとさっきのは言うから」

幼「飛びかからなければ少しくらい抱きついてもいい、だっけ」

男「はい……」

幼「でもさ」

男「……」

幼「足りないと思わない?」

男「……何が……?」

幼「いや、こんなに私優位な状況なのにそれを言い直したくらいじゃねぇ?」

男「どうすれば……」

幼「飛びかからなければいつでも抱きついていいというなら考えよう」

男「考えるだけなのが怖いな……」

幼「チャンスは最大限活かさないとね!」

男「ほどほどにしといて下さい……」

幼「んー、じゃあいつでも抱きついていいって言ったら許そう!」

男「いつでも……」

幼「そう、いつでも」

男「一緒にいるときだけなら……」

幼「その約束だと明日から私のこと避けたりしない……?」

男「あーそういうのもありなのか」

幼「ないよっ!却下!流石にそんなあからさまに避けられたら泣くくらいじゃすまないからねっ!」

男「お、おう……いやそうじゃなくな?」

幼「ダメだよ!」

男「まあ聞けって、というか俺だって幼のこと避けたいとは思ってないしまずこんな家族ぐるみの付き合いで避けようもないだろ……」

幼「そうだけど……」

男「さっきのはそうじゃなく、むしろ幼の方が抱きつくためにって寝る時やら色んな時に押しかけて来ないようにと」

幼「その手があったか!」

男「それをなしにしようって話だよっ!」

幼「気づかなかった……そんな手が……」

男「もうないからな?」

幼「うぅ……わかったよ、抱きつくのは一緒にいるときだけ、でも男はそのために私のこと避けたりしない」

男「おう」

幼「そしたら明日から抱き着き放題なんだね!」

男「えっと……ほどほどに、な?」

幼「わかってる!」

男「不安だ……」

幼「でも……」

男「ん?」

幼「何で男はそんなに抱き着かれるの嫌なの……?」

男「別にいやってわけじゃないぞ……?」

幼「じゃあなんでこんなに拒否してたの……抱き着きたいけど抱きつく度男に嫌われるんじゃないかとか思って我慢したりしてたのに……」

男「我慢して……?あれで……?」

幼「そうだよっ!悪かったね!」

男「ふむ……別に嫌いになったりはないぞ?」

幼「良かった……」

男「いや、幼はあんまり変わってないかもしれないけどな、俺たちももう結構大きくなったわけで」

幼「失礼な!ちょっとは成長してるよ!」

男「わかってるから押し付けるな!」

幼「ささやかながらちゃんと成長したことを知ってもらう必要があると思って」

男「十分わかってるというかむしろそれがダメな原因だよ!」

幼「?」

男「この年で男女が抱き合うってのはどうかと思うんだ」

幼「むー……私が一方的に抱きついてるだけじゃん!男は何もしてくれてないじゃん!」

男「そこ大事なのか……?」

幼「大事だよ!抱きしめられる喜びを教えた男のせいだから責任を取るべきだと思う!」

男「大事だったのか……」

幼「スルーしないで!」

男「まあそういうわけだから抱きつかれるのが嫌ってわけじゃないぞ」

幼「結局男からは抱きしめてくれないんだね……」

男「いや……んー……」

幼「んー?」

男「ん、やっぱだめだな」

幼「なんでっ?!」

男「んーこれをいうと笑われそうなんだが」

幼「笑わないっ!」

男「……まあいいか、ここまで言ったし」

幼「そうそうっ!なになにっ?」

男「あー……えっとな?」

幼「うん!」

男「何となくこういうのは付き合ってからやることなのかなーという抵抗がな……?」

幼「?!」

男「あ、いや別に幼と付き合う予定とかつもりとかそういうことじゃなく、な?」

幼「……」

男「と、いうわけです」

幼「ふーん……」

男「えーと……?」

幼「つまりこういうことは未来の彼女のために控えておきたいと」ギュー

男「痛い痛い!」

幼「むー……」

男「笑われる覚悟はしてたけど不機嫌になるのは予想外だった……」

幼「言いたいことはわかるけどそしたらもう私抱きつけないじゃんっ!」

男「思いっきり抱きつきながらでまるで説得力がないな……」

幼「うー……」

男「てか」

幼「ん?」

男「別に抱きつけなくはないだろ?」

幼「?」

男「幼が将来的に彼女になる可能性もまあ無きにしも……」

幼「あるのっ?!」

男「そうなのも何も幼次第じゃないか?」

幼「えっ?どういうこと?」

男「こんな恥じらいもなく抱きついてきてるうちはまあ無いかなーと」

幼「何でっ!?」

男「いや、だって……俺のこと男として意識してないだろ?」

幼「えっ……」

男「ん?」

幼「そんな風に見られてたのっ?!」

男「いやそうじゃなきゃこんな何の躊躇いもなく抱きついては来ないだろ……」

幼「そんな……そうだったの……」

男「まあそんな幼に早く成長してもらうためにも抱きつくのはどうなのかなーと……」

幼「……!」

男「お?どうした?」

幼「つまり男は私に早く成長して欲しいっ!?」

男「んー……そうなるのか……?」

幼「それは成長した私なら付き合ったりできるからっ?!」

男「えっ……そうなるの……か……?」

幼「そういう考えはなかったと……」

男「まあでも確かに言われてみれば……?」

幼「?!」

男「どのみち幼にその気がなきゃ意味ないだろ」

幼「その気あるよっ!全然あるよっ!」

男「そうなのか……?」

幼「むしろこれだけのアピールでもそんな風に考えてた男に驚きを隠しきれないよっ!」

男「お、おう……」

幼「それで?」

男「それで?とは」

幼「これだけわかりやすく言ったのにノーコメントはどうかと思うなーって」

男「あー……」

幼「まだ足りないなら」

男「待て幼」

幼「なに?」

男「ほんとに良いのか?」

幼「?」

男「勘違いじゃなきゃ、その先を言っちゃえばもう戻れないぞ?」

幼「わかってる!」

男「最悪もう抱きついたり出来ないぞ?」

幼「わかって……あれ?これってもしかしてやんわり断られてる……?」

男「なら俺の方から言う」

幼「待って!」

男「おう?」

幼「何も言う前から断られるなんて嫌だよ!せめて言うだけでも言わせてよ!」

男「え?いや断るつもりはないけど」

幼「え?どういう」

男「幼……」

幼「はい……って待ってまだ混乱してるのにシリアスな顔しないで!待って待って!」

男「お?」

幼「お?じゃないよ!なんなの!」

男「いやだから俺は幼のことす……」

幼「わー!だから待ってって!」

男「これはあれか……俺はやんわり幼に断られて」

幼「違うから!てかどうしたの急に!そんな素振り見せてなかったじゃん!」

男「そうか?」

幼「そうだよ!からかわれてた記憶しかないよっ!」

男「……あー」

幼「なのになんで急にっ?」

男「いや、まあいったん落ち着こう幼」

幼「何か納得いかないけど……わかった」

男「よし。好きだ、付き合ってくれ」

幼「うわあああああああ言っちゃったよ!今のはちゃんとゆっくり状況を整理する流れだったでしょ?!」

男「で、返事は?」

幼「ううううう……そりゃ……私だって好きだけど……!好きだけどっ!」

男「良かった、これでこの話は」

幼「終わらないからねっ!」

男「……」

幼「何なの……!?」

男「何なのとは?」

幼「こんなよくわかんないまま告白されて終わりはおかしいでしょっ!」

男「なるほど」

幼「それっぽい返事で適当に流そうとするなっ!」

男「そ、そんなことないぞ?」

幼「じゃあ話して」

男「……何を?」

幼「今まで全くそんな素振りも見せなかったのに突然告白に至った理由だよっ!」

男「幼……」

幼「何……?」

男「付き合ってる男女が密室に二人……この意味がわかるか……?」

幼「何が言いたいの?」

男「早く帰った方が」

幼「却下、むしろ私が襲いたいくらいなんだからっ!」

男「……」

幼「で?」

男「…………」

幼「そんなに言いたくないの……?」

男「そういうわけじゃ……いや、でも……」

幼「良いから話す!」

男「……はい……」

幼「よし」

男「えっとだな……」

幼「うん」

男「自信が無かったんだよ……」

幼「え……?」

男「その……幼が俺のこと好きなのかどうか」

幼「何でっ?!あんなにアピールしてたのにっ」

男「いや、さっきも言ったけど平気で抱きついてくるしさ、なんか家族とか下手したらペットに対する愛情のようなものじゃないかと」

幼「なるほど……アピールが逆効果だったと……」

男「逆効果とは言わないけど……まぁなんかな?」

幼「でもそれにしたって気付いても良いくらい色々したような気が……」

男「一度思い込むと多少のアピールではなー……何となく気づいた頃にはなんかこう……タイミング的なものが……な?」

幼「へたれ」

男「う……」

幼「まぁ……ちゃんと告白してくれたから許すっ!予定とは違うけどね!」

男「お前が望むような王子様みたいなキャラにはなれねぇよ」

幼「私の妄想がばれてるっ?!」

男「幼の考えてることなら大抵わかるっての」

幼「一番大事な部分には気づかなかったくせにっ!」

男「……ただしくだらないことに限るな」

幼「乙女の長年の夢をくだらないで一蹴された?!」

男「言うほどこだわりもなかっただろ」

幼「何でそこまで私の考えてる事見抜いといて肝心なところで……」

男「慎重派なんだ」

幼「ヘたれ」

男「くっ……」

幼「ま、そんなへたれでもちゃんと告白してきたから彼氏にしてあげよう」

男「すごい上から目線できたな……」

幼「ふふんっ」

男「自分でもよくわからないテンションみたいだし」

幼「うるさいよっ!」

男「否定はしないのか」

幼「そりゃだって!ずっと好きだったんだよっ!?ずっと!」

男「今考えると……そうだな、ずっと言ってたな」

幼「ならもうちょっと早く気付いて……ってのはもう良いとして」

男「はい」

幼「これだけ長い間好きだったのになんか終始よくわからないまま告白されたんだよっ?」

男「じゃあ無かったことにするか?」

幼「わかってて聞いてるでしょ……」

男「いや、俺としてもかなり強引だったかなーと……」

幼「そう思うならもう少しましなフォローを考えてっ」

男「おう……」

幼「……」

男「……」

幼「何も思いつかないのっ?」

男「えっ、今考えるのっ?!」

幼「男が何も思いつかないというなら」

男「いや待てダメだ、いやな予感しかしないから俺が考える!」

幼「……」

男「やっぱりよからぬことを……」

幼「よからぬことじゃないよっ!」

男「何する気だったんだ……」

幼「それは……その……せっかく付き合えたんだし、なんか恋人らしいこと、とか……」ゴニョゴニョ

男「恋人らしいことかー」

幼「筒抜けかっ!ゴニョゴニョの意味はっ?!」

男「手でも繋ぐか?」

幼「乙女かっ!てか今更そんな事で」

男「じゃあ繋いでみるか」

幼「なっ!」カアアァァ

男「思ったより効果あったな……」

幼「なっ、なっ……」

男「満足?」

幼「するかー!」

男「おぉっ?」

幼「確かに何か良くわかんない位照れたしなんか良かったけどそうじゃないでしょっ!こういう時はその、キス、とかっ!」

男「お、おう……」

幼「むー……」

男「まぁさ、そんな焦らなくても良いんじゃないか?」

幼「……」

男「ほら、こう……手繋ぐだけでも照れるような関係も、これはこれで楽しんどかないと損じゃないかなって」

幼「確かに……そうだけどさ」

男「のんびり行こう」

幼「何かそれっぽい雰囲気にして逃げられた気がする……」

男「その位で良いと思おう」

幼「んー……何か納得いかないけど……あっ!」

男「ん?」

幼「もう恋人だしさ、抱き着くのはいつでも良いよねっ?」

男「それは付き合う前段階で言ってなかったっけ」

幼「そうだった!」ダキツキ

男「いきなりだな……」

幼「男!」

男「?」

幼「すぐ泣いたり、から回りしたりして、その……面倒なやつだけど」

男「ほんとにな」

幼「そこはちょっとくらいフォローしてよっ!」

男「でもさ」

幼「?」

男「俺はそんな幼が好きだから」

幼「!」カアァァァ

男「離さないから」ギュー


終わり
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後輩「油断しすぎですよ、先輩」


男「油断……?」

後輩「こんな無防備に私を部屋に招き入れるなんて、何されてもおかしくないですよね?」

男「あれ?なんかおかしくね?」

後輩「おかしいですか?」

男「……ごめん、後輩に限ってはおかしくないわ……確かに油断してたわ……」

後輩「わかってもらえたなら何より」

男「……」

後輩「先輩が今実質一人暮らしなのは聞いてますし」

男「さりげなくドアの方に回り込まれてるし」

後輩「気づかれてしまいましたか……」

男「後輩の考えは何となく読めるようになってしまったかもしれん」

後輩「後はゆっくりベッドに押し倒すだけですね」

男「待て待て、まぁ落ち着けって」

後輩「どちらかといえば落ち着いてないのは先輩ですけど」

男「そうだな……」

後輩「そういう焦った顔も、悪くないですね」

男「無駄にいい笑顔になるな!怖いから!」

後輩「むしろどうしてそんなに焦るんですか?」

男「いや、だってお前……ほんとに襲いかねないだろ?」

後輩「もちろんっ」

男「無駄に真っすぐでキラキラした良い目をしてるな……」

後輩「先輩はじっとしてれば気持ち良くなれるんですよ?」

男「そういう生々しい話やめなさいっ!」

後輩「この程度で顔を赤らめる先輩……可愛い」

男「何か変なスイッチ入った!?」

後輩「最初は冗談のつもりだったんですが……先輩がそんな可愛い顔するのが悪いんですよ?」ガバッ

男「うおっ」

後輩「それとも……私が相手では満足できませんか……?」

男「うっ……」

後輩「ふふっ、その心配はないみたいですね」サワサワ

男「待て後輩、今ならまだ間に合うから、その辺でやめとっ?!」

後輩「耳、弱いんですね?ふぅー」

男 ビクッ

後輩「可愛い……」

男「後輩っ!」パッ

後輩「あっ」

男「よし、とりあえず落ち着いて話をしよう」

後輩「腕は抑えておくべきでしたね……うかつでした……」

男「いいから話を聞け」

後輩「これでは何もできませんし、まあいいですけど……良いんですか?先輩」

男「?」

後輩「この体勢はこれはこれで押し倒されてるようで私は幸せで」

男「おぉ!?悪い!」

後輩「あらら、そのままでも良かったのに…もったいないことをしました……」

男「耳まで赤くしながら何言ってんだ……」

後輩「なっ?!違いますよ!これは!」

男「まあいいから話を聞け」

後輩「……仕方ないですね」

男「よし、えっとだな、後輩」

後輩「はい」

男「物事には順序があるだろ?」

後輩「そうですね?」

男「なら、いきなりこういうことは……まずいと思わないか?」

後輩「?」

男「どうしてそこで不思議そうに首を傾げるんだよ……」

後輩「順を追っていけば良いんですよね?」

男「おお、わかってくれたか」

後輩「では先輩、好きです、セックスしま――」

男「落ち着こう」

後輩「……何がいけなかったんでしょう?」

男「本気で不思議そうな顔をしないでくれ、色々不安になるから」

後輩「どうしたら先輩は私とセックs」

男「ストップ!」

後輩「?」

男「その首傾げちょっと可愛いからやめよう」

後輩「かわっ!///」

男「なんでそこで照れるのにそういう単語は簡単に言えるのか……」

後輩「そういう単語ってセックs」

男「うわあああああああ」

後輩「先輩は初心で可愛いですね」

男「女の子がそういうことを恥じらいなく言うのはダメだと思うんだ」

後輩「そういう女の子は嫌いですか?」

男「えっ、あー、そうだな……やめた方が良いとは思う、ぞ?」

後輩「じゃあやめます」

男「突然素直になったな」

後輩「先輩に嫌われるのは嫌ですからね」

男「そ、そうか……」

後輩「あ、照れましたね」

男「うるさい!とにかく、いきなりそういうことをしようとするのはダメだと思うんだ」

後輩「そう……ですか……」

男「だいたい何でいきなりその……ああいうことしようと思ったんだよ」

後輩「いきなりではないですよね?先輩に会うたび意思は伝えていたはずです!」

男「そういえばそうだな……」

後輩「!」

男「……なんだよ」

後輩「これはもう先輩のいう順序を踏んでいるのでは」

男「踏んでません」

後輩「……」

男「なんで後輩はそんなに、その、したがるんだよ、そういうこと」

後輩「だって……」

男「?」

後輩「……モテるじゃないですか、先輩!」

男「……は?」

後輩「は?じゃないですよ!先輩の周り可愛い子ばかりで!」

男「そうか…?」

後輩「無自覚だったんですか!?」

男「いや……まあクラスとか委員会とかで可愛い子は多いかもしれないけど別に何もないしな…?」

後輩「……」ジト

男「なんでそんな目で見られてるんだろう…」

後輩「先輩、いつか刺されますね、それか襲われます」

男「さっき襲われたな……」

後輩「というわけで!そんな先輩が言ってた順序なんて踏んでる余裕はないんです!」

男「いやいや落ち着けって、全然余裕だって」

後輩「………」ジトォ

男「心なしかさっきより視線が鋭いですね……」

後輩「先輩、やっぱり襲っていいですか…?」

男「なんでだよ?!」

後輩「うー……だって!取られちゃうじゃないですかっ!!!」

男「は?!」

後輩「今日だって!家に呼んでもらえたから、もしかしてって思ってもやっぱり何もしてくれないし!こっちからいっても拒否されるし!そんなの!もう!」

男「お、落ち着け、えっと、悪かったから、あの、泣きやんで」

後輩「うぅ……!」ガバッ

男「うおっ、いきなり来たな……」

後輩「うー……」

男「えっと……悪かったから泣きやんでくれ」ナデナデ

後輩「っ///」

男「その、後輩がそんな悩んでるとは思わなくて……」

後輩「もっと」

男「ん?」

後輩「もっと撫でて下さいっ//」

男「え?あっ、悪いなんか無意識に」

後輩「いいから続けて下さいっ!///」

男「お、おう…」ナデナデ

後輩「こんな甘やかしてくれるなら、たまには泣いてみるのも良いかもしれません」

男「まだ泣いてるくせに割と余裕あるんだな…」

後輩「……そんなことないんでちゃんと撫でててください」

男「はいはい」

後輩「///」


男「落ち着いたか?」

後輩「はい……」

男「えっと……じゃあそろそろ遅いし」

後輩「先輩、さすがにこのまま何事もなかったかのように帰らせるのは、無理があると思いません?」

男「そうだな……」

後輩「まだ密室で二人きりなのは変わりませんしねっ」

男「襲いかかる気力があるようには見えないけど」

後輩「う……」

男「だから無理しないでいいって」

後輩「でも!」

男「取られないから心配すんなって」

後輩「そんなの!わかんないじゃないですか!」

男「大丈夫だから!なんだかんだこういうことしてくるのなんて後輩だけだし、ほら、もうちょっと成長したら」

後輩「やっぱり、すぐには相手してくれないんですね……」

男「それは……」

後輩「やっぱり処女なのがいけないんでしょうか」

男「っ!?」

後輩「私は先輩に捧げたかったけど、経験がある方がいいなら」

男「それは!」

後輩 ニヤリ

男「……しまった……」

後輩「それは、どうしたんですかー?先輩?」ニヤニヤ

男「わざとやったのか……」

後輩「何のことですかー?」

男「ならそうしろって言ったら相手はいるのか?」

後輩「私だって言い寄られることはあるんですよ?」

男「……」

後輩「その気になれば相手くらいは」

男「なら俺も幼に頼むか」

後輩「……っ!」

男「おいおい!冗談だって!涙目になるなよ」

後輩「だって!」ポロポロ

男「あーはいはい悪かったよ、よしよし」

後輩「うぅ……」

男 ナデナデ

後輩「私を見てくれないのは仕方ないですけど!他の人にとられるのは嫌です!!!」

男「そうか」

後輩「ちゃんと聞いてください!」ギュッ

男「お、おう……」

後輩「先輩はやっぱり油断しすぎです!」

男「は、はい……」

後輩「さっきからその気になれば……その……キスくらいいくらでもできるくらい隙だらけでしたよっ!」

男「流石にそんなことは……」

後輩「実際に試しますか?」

男「えっと……すいませんでした……」

後輩「そんな隙だらけの癖に肝心なところはかわされるし……」

男「それなら心配ないんじゃ……」

後輩「私は先輩に他の人が抱き付いたりするだけでも嫌なんですっ!」

男「そ、そうか……」

後輩「今日再認識しました……先輩はガードが甘すぎです!」

男「いや……それは後輩だからで」

後輩「なっ///私だけ特別……?」

男「いや、後輩はほら、受け止めないと怪我する勢いで来るだろ……」

後輩「……それだけですか……」

男「えっと……」

後輩「そうやって!気のあるそぶりだけ見せるくせに手は出してくれないなんて!何なんですか!」

男「えっと……ごめん?」

後輩「謝ってほしいわけじゃないです……」

男「その、後輩はさ」

後輩「……?はい」

男「俺のこと、好きなのか……?」

後輩「……はぁ……」

男「あ、いや、悪かった、変なこと聞いた、忘れてくれ」

後輩「今更その質問はどうかと思いますよ……」

男「……まぁ、俺もそう思ったよ、聞いてから」

後輩「でも、まぁ先輩がそう言うならはっきり言っておきます」

男「え……」

後輩「私は先輩のことが、大っ好きです!!!好きで好きで今にも襲いたいくらい、他の誰かに取られるなんて耐えられないし私だけのものにしたいしちゃんと…その…女の子として扱ってほしいです!!!」

男「……」

後輩「あ、照れてる」

男「そりゃ……まぁ……」

後輩「で……一応こんな形とはいえ、私、告白したんですが」

男「そうだな……」

後輩「何かしら返事とか、反応とか、ないんですか……」

男「あー……えっと……」

後輩「返答次第では」

男「……?」

後輩「このまま押し倒します」

男「なんでだよっ!?」

後輩「いいからとにかく答えてくださいっ!」

男「お、おう…いやでも押し倒されるのわかっててOKはできな」

後輩「……っ!」グス

男「あっ……」

後輩「……わかりました」

男「えっと……」

後輩「じゃあ……襲いますね」

男「だからなんでだよっ!?」

後輩「言いましたよね?返答次第では襲うって」

男「いや、OKしたらその場の勢いでとかそういう話じゃって待て!脱がすな!」

後輩「OKしてもらえたら今焦ることないじゃないですか」

男「あれっ、そういう…いやOKしたらそれはそれで襲われそうだった気も」

後輩「先輩、もう少し筋肉つけてもいいかもしれませんねー」

男「おい、そろそろやめ」

後輩「今回は反省を活かしてしっかり手も押さえつけてるんで無駄ですよー」

男「えっと、落ち着け、今ならまだ間に合うから」

後輩「もう振られたんですから間に合うも何もありませんよ……」

男「いや、振ったわけじゃなく……」

後輩「……」

男「えっとだな……」

後輩「襲われるのが嫌だからとりあえず言いくるめようとかなら、許しませんよ?」

男「それはないっ!」

後輩「……わかりました」

男「あの……いや、俺も後輩のことは好きだぞ?」

後輩「なっ?!///」

男「そんな驚かなくても……」

後輩「えっ、だって……あの……」

男「ただちょっと焦り過ぎてないかなーって、今もそうだが、受け入れたら歯止めが効かなくなるんじゃないかって」

後輩「それは……その……あんまり自信はありませんけど……」

男「だろ?」

後輩「うぅ……」

男「あとはまぁ、後輩相手だし手を出すのは……とかなんか色々考えてるうちにこう……」

後輩「……」

男「ただまぁ……むしろ中途半端なままだからダメだったんだよな」

後輩「っ!」

男「えっと……こんな形、というか、女の子から言わせて悪かった。後輩が好きだよ、付き合ってくれ」

後輩 ポロポロ

男「えっ、あれっ、泣いて」

後輩 ダキツキッ

男「おっと……いつも唐突だな後輩は」

後輩「だって!うぅ……その!あ!泣いてるのは、あの、嬉しいからで!」

男「さすがにわかるから大丈夫だ」

後輩「先輩、鈍いから、ちゃんと言っておかないと……」

男「それは否定しきれないけど、とりあえず泣き止むまではおとなしくしてろ」

後輩「……」


男「落ち着いたか?」

後輩「二回もすいません……」

男「いや、まぁ、むしろ二回も泣かせてすまん……」

後輩「ぐすっ…ほんとですよっ……」

男「悪かったって……」

後輩「まあ、それはもういいです」

男「おう」

後輩「そんなことより……その……さっきの、嘘じゃないですよね?」

男「もちろん」

後輩「ほんとに……?」

男「ほんとに」

後輩「ということは、抱きついても怒られないっ?」

男「え……まぁそのくらいな」グハッ

後輩「えへへー」

男「あのな……後輩、怒らないし逃げないからもう少しゆっくりきてくれ……」

後輩「ごめんなさいっ!嬉しくてつい」

男「この位ならいくらでもするから」

後輩「いくらでもっ!」

男「抱きつくくらいなら好きなようにしてくれ」

後輩「えへへー……あっ!」

男「?」

後輩「他の子には許しちゃダメですよっ!」

男「わかってるよ」

後輩「その辺は全然信用できませんからねー、先輩」

男「抱きついてくるのなんてそんないないから大丈夫だろ」

後輩「ちょっとでもいる事が問題なんですっ!」

男「お、おう……」

後輩「ちゃんと、か、彼女がいるからって断って下さいよっ!」

男「わかったよ」ナデナデ

後輩「えへへー」

男「んで、そろそろ帰らないとまずいんじゃないか?」

後輩「あー……そうですねー、今更感もありますが」

男「おいおい……大丈夫か?いや俺のせいでこうなってるからあんま言えないけど」

後輩「まぁ、何とかなりますよ」

男「ほんとかよ……」

後輩「先輩を捕まえるためだったって言えばお母さんなら許してくれますっ」

男「どういう事だよ……」

後輩「むしろしっかりものに出来たといえば褒められるかもしれません」

男「……そうか」

後輩「近いうちに招待しますねっ」

男「今の話のあとだとすごい行きにくいけどな」

後輩「えー」

男「ま、そのうちな、とりあえず今日は帰れ」

後輩「はーい」

男「……」

後輩「……」

男「で、何で動かない」

後輩「んー、何か物足りないなーって」

男「何がだ?」

後輩「んー、帰る前にこう……」

男「まぁとりあえず準備しろ」

後輩「はーい……」


男「じゃ、お疲れ」

後輩「はい、お邪魔しました」

男「結局当初の目的の勉強はまるで出来なかったわけだが」

後輩「また呼んでくれますよねっ?」

男「そう……だな」

後輩「えへへー。あ、準備させといて申し訳ないんですが、走って帰るのでここまでで大丈夫ですよ」

男「大丈夫か?」

後輩「大丈夫ですよっ!」

男「そうか」

後輩「そんなことより……」

男「?」

後輩「先輩っ!」

男「どうした?」

後輩「ちょっとこっち来てくださいっ」

男「何――」

後輩 チュ

男「んっ!?」

後輩「先輩はやっぱり、油断しすぎですねっ!///」


終わり

許嫁「他の子ばかり……」


許嫁「……」

男「どうした?」

許嫁「……男さん」

男「おう」

許嫁「今日後輩ちゃんと何をしていました?」

男「えっ……?勉強教えるって言ってたよな?」

許嫁「はい、そう聞きました」

男「……?」

許嫁「勉強を教えるというなら仕方ないと思い我慢しましたが……」

男「我慢?」

許嫁「婚約者が他の女の子と二人きりになるのですから」

男「え!嫌だったのか?」

許嫁「それは……まぁ……少しは……」

男「そうなのか……悪かった」

許嫁「いえ、私だってそこまで縛り付けるつもりはありません……」

男「おう……」

許嫁「ですが」

男「……が?」

許嫁「頭、撫でてましたよね?」

男「え……あー……そんなこともしたような」

許嫁「後輩ちゃん、嬉しそうでしたね?」

男「そうだったか?」

許嫁「男さん、デレデレしてましたね……?」

男「そんなことは……」

許嫁「後輩ちゃん可愛いなーとか思ってませんでした……?」

男「それは……」

許嫁「……」

男「えーと……」

許嫁「他にも」

男「……」

許嫁「先輩に抱きつかれてましたよね……?」

男「あれは突然でっ」

許嫁「はい、ですからそれは仕方ないです」

男 ホッ

許嫁「ですが」

男「う……」

許嫁「どうしてその後抱きしめ返したんですか?」

男「っ!……それは」

許嫁「……」

男「えっと……すいません……」

許嫁「男さんは」

男「はい……」

許嫁「私が婚約者という自覚が足りないように感じます」

男「すいません……」

許嫁「これでは両家とも安心できません」

男「そうですね……」

許嫁「何よりっ!」

男「はい」

許嫁「一番の問題は……!」

男「……」

許嫁「私には一度も撫でたり抱きしめたりしてくれていないことですっ!」

男「……え?」

許嫁「え?ではありませんっ!どうして他の子にはここまでデレデレしてるのに婚約者である私には何もしないんですかっ!?」

男「ちょ、ちょっと待った」

許嫁「なんですかっ?」

男「もしかしてだな」

許嫁「はい」

男「いや、間違ってたら恥ずかしいんだが……ヤキモチ……?」

許嫁 カアァァァァ

男「まじか……」

許嫁「うぅ……仕方ないでしょうっ!その……婚約者なんですから……」カアァ

男「いや、えっと……申し訳ない?」

許嫁「同意の上での婚約というから両想いだと思っていたのに……」

男「えっ?」

許嫁「いいですよ……私の勘違いだったようですし……ですが!婚約者は私ですからねっ!他の子とどれだけイチャイチャしたって結婚は」

男「ちょっと待て、え、両想いってどういうことだ……?」

許嫁「はい……?」

男「いや、さらっと大事なこと言ってた気がしたんだが」

許嫁「ですから……その…貴方も私のことが……す、好きだ……と……//」

男「ということは……許嫁は俺のことを……えっと……好きだと?」

許嫁「うぅうぅぅ……はい、そうですよっ!//」

男「まじか…親に勝手に決められたものだと……」

許嫁「男さんはどうだったかわかりませんが……私は決められた相手の中とはいえ選ぶ自由は与えられてたんですっ」

男「そうだったのか……いやでもいきなり写真なりなんなりで見ただけだろ?」

許嫁「……」

男「?」

許嫁「覚えてないでしょうけど…小さい頃に私たち、一度会っているんですよ?」

男「え……」

許嫁「まあずいぶん前のことですし忘れていても……」

男「いや覚えてる、むしろ許嫁がそれを覚えてたことに驚いてる」

許嫁「えっ」

男「そうか、いや覚えてたのか……おお……」

許嫁「えっ、えっ?」

男「あー、混乱してるな」

許嫁「それは……いや」

男「えっとな、うちは確かに親のおかげでそれなりの家ではあるが……結婚相手を押し付けられたりする事はなかったんだよ」

許嫁「えっ、えっ、それって……」

男「うちはまだまだ親が元気だしな、それに、そういう手段でどうこうする時代でもないだろうとか言ってて」

許嫁「それじゃあなんで……」

男「自由とはいえ選択肢としてたまに話は来ててな、その中に許嫁を見つけたから」

許嫁「それじゃあ……え……」

男「面影しかなかったけど、写真見た時、絶対あの時の……一目惚れした子だって」

許嫁「一目惚れっ!?えっ、ということは……」

男「まさかそっちまで覚えてるとは思わなかった……」

許嫁「はい、いえ、それはそうなんですが今はそれより大事なことが……」

男「?」

許嫁「ですから…その…男さんも私のことを……好き、ということで……」

男「そうだよ、好きだ」

許嫁 カアアアァァァァァ

男「そうか……覚えててくれたんだなー」

許嫁「はい…男さんも覚えてくれてるなんて……あれ?」

男「?」

許嫁「嬉しくて誤魔化されそうになりましたが……でしたらなおさらなぜ他の女の子に……」ジト

男「あー……」

許嫁「誤魔化されませんからねっ!」

男「結構ぎりぎりだったよな……?」

許嫁「う、うるさいですっ!そんなことよりちゃんと説明してくださいっ!」

男「えーと……」

許嫁「……」

男「いや、まさか許嫁が俺のこと好きとは思わなくてな?何か冷たかったし」

許嫁「あんなにアピールしたのに……」

男「えっ」

許嫁「苦手な料理も毎日頑張って……」

男「苦手な?あんなに美味しかったのに?!」

許嫁「本当ですかっ?!」パアッ

男「おう、めちゃくちゃ美味かった、バランス考えてて手間も惜しまずやってくれてるなーって感謝してるぞ」

許嫁「よかった……ってまた誤魔化されそうになりましたがっ、ならなんで他の子に……」

男「あー……」

許嫁「いまさらその程度で男さんを嫌いにはなれませんが……返答によっては色々と考え直さなければいけないかもしれません……」

男「う……」

許嫁「とにかく、しっかり説明してもらいますからね」

男「はい……すいませんでした……」

許嫁「それで?」

男「えっと……撫でたのはまぁ…このくらいならいいかなーという気持ちがありまして……」

許嫁「……まぁ、確かにそのくらいでうるさく言うつもりはありませんが……」

男「ならよかった……」

許嫁「ですが」

男「はい……」

許嫁「私にもしてくれている上でなら、ですね」

男「それは……」

許嫁「私にはしないことを他の子にされてたら……その……不安にだってなります」

男「ごめんなさい……」

許嫁「というわけで」

男「?」

許嫁「撫でてください」

男「今っ?」

許嫁「むしろいつも撫でてくれても構いません」

男「いつもっ?!」

許嫁「とにかく、今撫でてくれれぱ許します」

男「えっと……いいのか?」

許嫁「もちろんです、というより、撫でないと許しません」

男「じゃあ……」ナデナデ

許嫁「ふあっ」

男「……これで良かったのか……?」

許嫁「……」

男「えっと……」

許嫁「……少し短すぎますが……まぁとりあえずはいいでしょう」

男「とりあえず、か」

許嫁「で、次は…抱きついたことに関してですが……」

男「それに関しては…申し訳ないというか……」

許嫁「言い訳は聞きますよ?」

男「……じゃあ、えっとな……」

許嫁「はい」

男「その、先輩に抱きつかれた時、わりとドキッとしてな」

許嫁 イラッ

男「ひっ……」

許嫁「……とにかく、最後まで聞きましょう」ニッコリ

男「あ……えっと……」

許嫁 ゴゴゴゴゴ

男「怒ってますよね……?」

許嫁「いえ、ええ……ですがとにかく最後まで聞きますよ?将来の結婚相手の考えてることは知っておいて損はないでしょうし……」

男「はい……あれ?えっと、じゃあ……この件で婚約破棄みたいなことには」

許嫁「……惚れた弱みですね……」

男 ホッ

許嫁「そのかわり、ちゃんと説明してくださいね?」ニコニコ

男「う……」

許嫁「……」

男「その……さっき言ったとおり、ちょっとドキッとした時にだな……」

許嫁 イライラ

男「その……許嫁の事を思い出して……」

許嫁「えっ?

男「婚約は出来たとはいえ…何となく許嫁が冷たくてやっぱり一方的な話で嫌々決められたのかな、とか考えてだか」

許嫁「それは……その……恥ずかしくて……何を話せば良いかもわかりませんし……//」

男「それはさっきそういう事だったのかってなんとなく理解したんだが……」

許嫁「はい……」

男「まぁその時はそんな感じであー許嫁とこんなことできることあるのかなーとか考えてたら……」

許嫁「……」

男「手が勝手に」

許嫁「…………」

男「すいませんでした……」

許嫁「今の話、嘘はついてませんね?」

男「もちろん!」

許嫁「そう、ですか……」

男「……?」

許嫁「つまり、男さんはその……わ、私の事を考えてそういう行動を……?」

男「あー……そういうことになるの……かな?」

許嫁「わかりました……」

男「えっと……?」

許嫁 スーハースーハー

男「????」

許嫁「えいっ」ダキッ

男「?!!!?!」

許嫁「こ、これで!もう他の子に抱きついたり…しませんよねっ……!」カアァ

男「お、おう、えっと、もちろん……です」

許嫁「……」ドキドキ

男「……」ドキドキ

許嫁「……それで……いつになったら……抱き返してくれるんですか……?」

男「え、あ……」

許嫁「……」ドキドキドキドキ

男「……」ダキ

許嫁「……///」

男「……」


許嫁「……そ、その、そろそろ」

男「あ、あぁ、そう、だな」

許嫁「……」

男「……」

許嫁・男「「そっちから」」

許嫁「……」

男「……」

許嫁「同時に、離れましょうか」

男「そう、だな……」

許嫁「……//」


許嫁「これは……思ったよりも……」

男「そうだな……」

許嫁「まぁ、経験豊富な男さんは余裕があったでしょうけどね」ニコ

男「そんなことはっ」

許嫁「ふふ、冗談ですよ……ちゃんと、さっきの言葉に嘘はなかったってわかりましたから……」

男「くっ……」

許嫁「さて……」

男「?」

許嫁「わかってると思いますが、もう私以外の子に抱きついたり……しませんよね?」

男「それはもちろんっ!」

許嫁「抱きつかれるのも?」

男「それは……」

許嫁「もし抱きつかれたら私も他の人に――」

男「全力で避けます」

許嫁「よろしい」

男「……かわしきれるだろうか……」

許嫁「もし抱きつかれたら」

男「っ――」

許嫁「私には三倍は抱きついて下さい」

男「なっ!」

許嫁「あ、照れましたね」

男「う……」

許嫁「約束ですよ?」

男「わかった]

許嫁「ふふ」

男「あー、でも……」

許嫁「?」

男「それだとわざと抱きつかれたくなりそうだな」

許嫁 ゴゴゴゴゴゴゴ

男「すいませんでした!冗談です!!!」

許嫁「……」

男「でもさ」

許嫁「はい?」

男「普段は抱きついちゃいけないのか?」

許嫁「えっ?それは…そんなこと、言わなくてもわかってくださいっ!」

男「仕返し成功っ」

許嫁「……」カァァ

男「やっぱ許嫁は可愛いな」

許嫁「うぅ……ですが、ほんとに自分から抱きつかれにいっていたら……」

男 ビクッ

許嫁「わかってますね?」ニッコリ

男 コクコク

許嫁「わかってもらえたなら何より」

男「はい……」

許嫁「あの……それでですね……」

男「ん?」

許嫁「えっと……お願いが……あります」

男「お願い?」

許嫁「これだけ私を不安にさせたんですから、一つくらい良いですよね?」

男「えっと……はい……」

許嫁「では……私だけの、何かを下さい」

男「何か……?」

許嫁「撫でるのも、抱き着くのも、全部私の方が他の子より後でした」

男「……すいません」

許嫁「ですから、私だけに、もう私が不安にならないような特別な、何かを」

男「えっと……」

許嫁「……」

男「……わかった」

許嫁「……」ドキドキ

男「じゃあ、目を閉じて」

許嫁「はい……」

男「良いんだな?」

許嫁「……はい」

男「もう、不安にさせないようにする」

許嫁「んぅっ……約束、ですよ?」


おわり

幼馴染「毎朝起こすの大変なんだけど……」


幼「毎朝起こし始めて10分は起きないのはどうかと思うの」

男「そうだなー」

幼「他人事みたいに言ってるけど、あんたのことだからね?」

男「毎朝助かってるよ」

幼「……なんか軽い…」

男「こんな美人な幼馴染に毎朝起こしてもらえるなんて俺は幸せだ」ナデナデ

幼「そっそこまで言うなら……」

男「相変わらずちょろい…可愛い」

幼「ってだめ!毎回それで何とかなると思わないで!」

男「おぉ!今日は抵抗した!」

幼「そうやって頭なでて適当に誤魔化しとけば何とかなると思ってたでしょ!」

男「実際なんとかなってたからな」

幼「ぐ……で、でも!他の子とかには通じないでしょ!」

男「試したことがないから何とも……」

幼「そうなのっ?」パァッ

男「試してみるか?」

幼「だめっ!だいたい女の子の髪の毛はそんなに気やすく触っていいもんじゃないんだよ!」

男「そうなのか……」

幼「そうなのっ!」

男「なら今後は幼も撫でれないなー」

幼「えっ」

男「残念だ、気安く撫でさせてくれる子を代わりに探して……」

幼「えっ……代わり……」

男「いや冗談だからそんな本気で落ち込むなよ」

幼「……」

男「幼?」

幼「うあああああ!いつもいつもそうやって!男はっ!」

男「おぉ?!落ち着け幼!地味に痛いから!」

幼「むぅ……」

男「悪かったって」

幼「思ってないでしょ!」

男「いや思ってるぞ?」

幼「じゃあなんで!」

男「ん?」

幼「なんでいつもみたいに悪かったって言うとき撫でてこないの!」

男「えっと……撫でられたいの?」

幼「うっ……そうじゃないけど!何でいつもと違うのかって!」

男「いや、女の子の髪の毛は気やすく触っちゃだめとか言われると触りにくくてな」

幼「私はいいの!」

男「そうなのか」

幼「むしろ私しかだめだからっ!」

男「可愛いな……」

幼「わかった?」

男「はいはい」

幼「むー……」

男「まだなんか怒ってんの……?」

幼「んっ!」

男「……ん?」

幼「なんで結局撫でてくれないのっ!わかりやすいように頭向けたのに!」

男「あっそういう流れだったのか」

幼「そんなだから彼女出来ないんだよ!」

男「お……おう……」

幼「あっ……えっと……」

男「幼さんはたまに容赦ないですね」

幼「うわ!ごめん!悪かったから!敬語はやめて!」

男「誰かこんなんでも拾ってくれる人いないかな……」

幼 チラッ

男「幼はないしな」

幼 イラッ

男「本人にダメ出しされてるようだと厳しいよなー」

幼「確かにそのままじゃ厳しいかもね……」

男「そうだなー」

幼「まずは朝ちゃんと起きることからだねっ」

男「ふむ……」

幼「明日からはちゃんと起きてよ」

男「それなんだがな幼」

幼「?」

男「いや、毎朝で幼も大変だと思うから」

幼「ま、待った!」

男「お?」

幼「何か嫌な予感がするっ!」

男「いや幼にとっては良いことだと」

幼「だめっ!」

男「おぉ?」

幼「私に起こしに来なくて良いって言うんでしょ?」

男「いや……」

幼「それで代わりに別の子に毎朝起こしてもらうようになって二人はそのまま……」

男「いやそれはないだろ」

幼「そんなの絶対だめだからね!男を起こすのは私の仕事だから!絶対やめないから!!!」

男「いや、やめられると困るからそれは助かるけど……」

幼「えっ」

男「幼はたまに暴走するよな……」

幼「えっえっ?」

男「人の話はちゃんと聞こうな?」

幼「はい……」

男「じゃあまた明日……」

幼「待って」ガシッ

男「そろそろ寝ないとまた迷惑かけるから、な?」

幼「それは困るけど……」

男「と、いうわけでおやすみっ」

幼「だめです逃がしませんっ!」ガッシリ

男「わー!わかったから!抱きつくな!」

幼「……」

男「俺としてはもう安心だし下手なこと言わない方が良いしで……」

幼「……」

男「ごめんなさい……ちゃんと言うから離してくれませんか……?」

幼「抱きつかれるの、嫌なの?」

男「いや、嫌とかじゃなくな?」

幼「抱き付くな!はちょっと傷ついたなー」ギュッ

男「えっと……いや悪かったからとりあえず離れよう?」

幼「ちゃんと言うまで離しません」

男「うちと違って親いるんだから来たら勘違いされるだろ?」

幼「男がさっさと話せば問題ないです」

男「う……いやでも冷静になるとこれはな……」

幼「いいの?このままだと帰れないよー?」

男「耳元でしゃべるな!」

幼「ふぅー」

男「ひっ」

幼「へへへー弱点発見!」

男「これ以上は色々まずい……」

幼「えへへー」

男「幼?」

幼「なにー?」

男「えーと……そろそろ怒るぞ?」

幼「えっ……ごめん!」パッ

男「やっと離れたか……」

幼「えっと……ごめんね?その……そんな……怒るほど嫌だと思わなくて……」

男「えっ?あれ、いや違うぞ?嫌だったとかじゃなく!」

幼「うぅ……」

男「ほら、あんなんおばさんに見られたら来づらくなるだろ?」

幼「むしろお母さんなら歓迎する気もするけど……」

男「いやそうなるとなおさら俺が来づらいからな?」

幼「じゃあ怒ってないの?」

男「怒ってないぞ?」

幼「明日も起こしにいっていい?」

男「それはむしろ来てもらわないと俺が困る」

幼「良かった……」

男「おう」

幼「それで……」

男「ん?」

幼「やっぱりさっきのは教えてくれないの……?」

男「あー……」

幼「嫌ならもう無理には聞かないからっ!」

男「いや、怒ってないからな?ちょっと脅かしただけで……」

幼「でも怒らせたくないし……」

男「何でそんなに……」

幼「だって……喧嘩して起こしにいけなくなると…」

男「ん?」

幼「あの時みたいに……」

男「あの時?」

幼「仲直りしようと思って家にいったら知らないお姉さんがいて…」

男「あー……」

幼「もうあんなの嫌だからねっ」

男「どうも自分で起きるのは不安だから親戚に頼んで……ってこれはもうその時言ったか」

幼「でももう喧嘩もしたくないし!起こしにいけない間に他の人に頼まれるとか嫌だから!」

男「でもいつまでも幼に頼るわけには行かないよなー、そのお姉さんももうこないだ結婚したし」

幼「そうなのっ?」

男「んー、何だかんだ憧れのお姉さんだったからちょっとショックだったなー」

幼「そうなの……」

男「まぁちょっとそれも関係あるんだが」

幼「ん?」

男「さっき言ってたやつ」

幼「教えてくれるの?」

男「おう、でもそんな大した話じゃないぞ?」

幼「それを決めるのは男じゃなく私です!」

男「そうか……じゃあ」

幼 ワクワク

男「例のお姉さんが起こしてくれてたときさ」

幼「うん……」

男「一日目にまぁ例によってなかなか起きなくてな」

幼「誰が起こしてもそうなの……」

男「んで、次の日は起きなかったら……」

幼「起きなかったら?」

男「キスすると……」

幼「?!」

男「嫌なら起きろって言われて」

幼「待って!じゃあキスしたの!?あの人と!」

男「いや、起きてから聞いてもはぐらかされたからわからんけど……まぁしてないだろ、からかっただけだろうし」

幼「……」

男「それでな……って幼?大丈夫か?」

幼「私は毎日我慢してるのに……」ブツブツ

男「おい!幼!!!」

幼「はっ!」

男「大丈夫か、なんかブツブツ言ってたけど」

幼「ごめん、もう大丈夫です!」

男「ならいいけど…まぁそんな感じで幼も大変ならなんかそういう罰ゲームというか、起きなかったらイタズラしていいみたいな」

幼「チューしていいのっ?」

男「いや、それは幼にメリットがないだろう……」

幼「……」

男「まぁなんか落書きしたりとか?何でも良いんだがなんか起きなかったときのペナルティでもあると俺も気を付けるし幼もその方が良いかなーと」

幼「なるほど……」

男「やっぱ幼にメリットがなさ過ぎるか。やめとこう」

幼「だめ!やろう!」

男「え……」

幼「つまり寝てたら何しても良いんでしょ……?」

男「いや、なんか幼、気合入り過ぎてて怖いんだけど……」

幼「そんなことないよ?でもお姉さんがそんなことしたならこれだけ毎日起こしてる私も何かしないと不公平じゃない?」

男「そうだな……?いや、そうなのか……?」

幼「そうなの、というわけで明日から起きないと何されるかわからないからね?」

男「お……おう……」

幼「あー起こすの楽しみになってきたなー」

男「それならいいんだけど……やっぱなんか怖いぞ?」

幼「気のせい気のせいーほら、もう寝ないで大丈夫?」

男「そうだな……そろそろ帰るか」

幼「じゃあ明日、ちゃんと寝ててね?」

男「いやちゃんと起きてねだろっ?!」

幼「そうだった……!」

男「じゃあおやすみ……」

幼「うん、おやすみー」



幼「えへへ……何でもしていいって……」

幼「何でもって……ずっと我慢してたチューとか……そこまでいかなくても抱き付いたり…」

幼「今日はどさくさで抱きつけたけどなんかその後のショックであんまり覚えてないし…」

幼「でも男はもうファーストキスじゃ……」

幼「いや、からかわれただけって言ってたし!大丈夫だよねっ!」

幼「あー楽しみだよー!」ソワソワ


幼「で……」

男「おぉ、おはよう」

幼「なんで起きてるの……?」

男「いやー、昨日の幼の様子が不穏すぎてな、目が覚めた」

幼「そんな……」

男「いやーでもこれで明日からもちゃんと起きれそうだなー、良かった」

幼「良くないよ!」

男「なんでだっ?」

幼「ぐぬぬ……明日からも!」

男「おう……?」

幼「明日からもこのルールで行くからねっ!」

男「おう、これなら寝坊もせず幼に迷惑もかけずにすみそうだ」

幼「……」


次の日

幼「おはよー」コッソリ

男「おはよー」

幼「!?」

男「いやー今日も起きれた」

幼「何で……」

男「ん?」

幼「何で起きてんのー!!!」

男「えっ?ダメだったのか?!」

幼「そんなに私のちゅーが嫌かー!!!」

男「落ち着け幼!そしてちゅーってなんだ?!」

幼「起きなかったらちゅーしていいって言ったじゃん!!!」

男「え?あー……いや別に何でもとはいったけどそんなキスにこだわらなくていいんだぞ?」

幼「こっちが必死に我慢しながら起こしてた時は全然起きなかったのに!」

男「我慢……?」

幼「あ……」

男「?」

幼「そうだよっ!我慢してたんだよ!ずっと!無防備に好きな人が寝てるのに何もできないんだよ!毎朝!大変だと思わない?!」

男「お、おう……いや、一回落ち着こう幼」

幼「だめっ!今落ち着かせないで!もういっそこのまま楽になりたいの!」

男「いやだから落ち着け!俺がついていけない!」

幼「落ち着いたってついて来てくれるかはわからないじゃんっ!」

男「それはそうだけど…えっと…幼って俺のこと好きだったの?」

幼「バカだバカだとは思ってたけどほんとに気づいてなかったの?!あんなにアピールしてたのにっ!」

男「えっ……いつ……」

幼「例えば寝てる時こっそり手を握ってみたり……顔を近づけてみたり……匂いかいでみた……って寝てちゃダメじゃん!私!」

男「落ち着けよ」

幼「なんでこんな重要なことに今まで気づかなかったの……」

男「……バカ?」

幼「うあー!いっそ殺してー!」

男「早まるなー!」


幼「……」

男「落ち着いたか?」

幼「落ち着く前に楽になりたかったよ……」

男「まあそう言うなって……」

幼「うぅ……これからどうすれば……」

男「それを決めるために落ち着かせたんだよ」

幼「……」

男「えっと……幼は俺のこと好きなんだよな……?」

幼「う……はい……」

男「そうか」

幼「気づかなかった?」

男「いや、そりゃ全くと言えば嘘になるけど……そこまで自惚れられないというか……」

幼「そうだよね……寝てる時しかアピールしてなかったんだもんね……」

男「そうだな……」

幼「最近はむしろ起きてたら怒ってたし……」

男「あー……」

幼「もういっそ寝てる男が好きなのかな……私……」

男「それは困るっ!」

幼「えっ」

男「あっ……」

幼「えっ、これってちょっと期待しても良いの……?!」

男「まあ……うん」

幼「ほんとに……?」

男「……ほんとに」

幼「ちゃんと言って?」

男「あー……」

幼 ドキドキ

男「えっと……その……俺も幼のことが好きだ」

幼 カァァァァァ

男「その……両想いってことでいいんだよな?」

幼「もちろんっ!」

男「起きてても?」

幼「むしろ起きててくれなきゃ困るよっ!」

男「そうか……」

幼「えっと……じゃあ……」

男「待った、ちゃんと言うから」

幼「はい……」

男「幼、好きだ。俺と付き合って欲しい」

幼「うん…!うんっ!」グス

男「泣くほどなのか…?」

幼「だってずっと、もう自分でもいつからか忘れるくらいずっと好きだったんだよっ?」

男「そうなのか……そう言われるとなんか照れるな……」

幼「えっと……男は?いつから私のことを……」

男「んー……あー、俺も覚えてない」

幼「え?」

男「気づいたら好きだった」

幼「そうなの?」

男「おう」

幼「でも、憧れのお姉さんとか……」

男「憧れと好きは違うし、お姉さんはお姉さんだろ」

幼「なんか納得できない……」

男「心配しなくてももう向こうも結婚してるんだし」

幼「心配とかじゃないっ!」

男「ヤキモチ?」

幼「違うっ!!!」

男「可愛い……」

幼「うぅ……」

男「で、幼」

幼「ん?」

男「俺が寝てたらキスするつもりだったんだっけ?」

幼「えっ……あっ……いや……えっと……」

男「なんで今さらそんな慌てるんだよ」

幼「だって恥ずかしいじゃんっ!」

男「そうかそうか」

幼「むー……」

男「じゃあ、するか?」

幼「えっ」

男「付き合ったんだし寝てなくても、したかったらしたいことしていいんだぞ?」

幼「いいの…?」

男「むしろ俺がしたい」

幼「っ……//」

男「だめ?」

幼「だめじゃないっ!けど!なんかその……ムードとか……」

男「寝込み襲おうとしてたやつのセリフか……?」

幼「うるさいっ!」

男「ははっ、じゃあ今回はやめとくか」

幼「えっ……」

男「ん?」

幼「してくれないの……?」ウルウル

男「そのくらいで泣きそうになるなよっ?!するからっ!」

幼「良かった……」

男「幼はほんとに、落ち着きがないというか……」

幼「だって……」

男「まぁ……じゃあするぞ?」

幼「うん……」ドキドキ

男「えっと……初めてでよく分からないんだけど…じゃあ目つむって」

幼「初めてなのっ!?」

男「何だよ……悪かったな!」

幼「悪くない!全然悪くない!むしろ良い!」

男「そうなのか……?」

幼「男は私が経験あった方がいいの?」

男「……絶対やだ」

幼「うっ……そこまではっきり言われると//」

男「そうか……あーでもキス自体は初めてじゃないかもしれないのか……」

幼「そうだね……お姉さんに……」

男「わー、そんないじけるなって!大丈夫!多分初めて!少なくとも俺からするのは絶対初めてっ!」

幼「なら……まぁ許す」

男「ありがと」

幼「もう私しかダメだからねっ!」

男「わかってるよ」

幼「男は無防備だから心配なんだよ」

男「大丈夫だって、無防備って言っても襲うやつなんか……」

幼「……」

男「あー……」

幼「うぅ……」

男「目つむって」

幼「こんな空気でっ?!」

男「いや、なんか思い出して恥ずかしそうにしてるのが可愛くて……」

幼「うぅ……わかった……」

男「いくぞ……?」

幼「うん……」ドキドキ


幼「男ー!起きろー!起きないと……」

男「んー……おはよう」

幼「だから何で起きてるのー!!!」

男「いや、毎朝起こすの大変って言われたからちゃんと起きるように頑張って」

幼「もうそれはいいのっ!」

男「いいのか?」

幼「好きな人を起こすのが嫌なはずないでしょっ」

男「じゃあなんで大変って……あー」

幼「言ったでしょ……我慢してたって……」

男「なるほどね」

幼「だからむしろ寝ててくれないと私が好きに出来ないから寝ててっ!」

男「それこそもう良いんじゃ……」

幼「何で?」

男「起きてても我慢しなくて良いんだぞ?」

幼「っ!」

男「むしろ起きてる時にして欲しい」

幼「いいの……?」

男「そりゃ、付き合ってるんだからなぁ?」

幼「そっか……えへへ……そっかぁ」

男「にやけすぎだろ」

幼「しょうがないじゃんっ!その……付き合ってるとか……照れるし……」

男「そうか…」

幼「男だって顔赤いじゃんっ」

男「そりゃそんだけにやけられたらな…」

幼「えへへ……あー、でも……」

男「ん?」

幼「やっぱり寝てる時に好きなことしていいなら一回くらい寝てて欲しいな……」

男「そういやそのルールにしてからはちゃんと起きてたんだな、俺」

幼「そうだよ!」

男「まぁとりあえず学校行くぞ!準備するから下いろ」

幼「はーい……」

男「あー」

幼「なに?」

男「明日からは……」

幼「うん」

男「もうちょっと早く起こしに来てくれても、いいぞ?」

幼「!」


おわり
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すかい

Author:すかい
新しいものほど良くなってる。

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